HACCPは、食品を安全に製造するための方法論の一つと言えます。英語のHazardAnalysisandCriticalControlPointの略であり、危害分析重要管理点のように訳されることもあります。なおHACCPの読み方は、ハサップと呼ばれることが多いようですが決められた呼称はなく、ハセップなどのように読まれることもあるようです。HACCPとはあくまで方法論の一つであって、これを導入しさえすれば安全確実に食品が製造できると保証してくれるような、魔法の杖というか打ち出の小槌のようなものではないということをまず理解する必要があります。

HACCPの概略ですが、要するに、その食品を製造する過程においては、危害が混入する可能性のあるポイントがいくつか存在するはずです。例えば物理的にゴミや埃、人の髪の毛などが混入しうるポイントがあるかもしれませんし、生物学的な意味で微生物が混入して食中毒の原因になるポイントもあるかもしれません。どのような危険なポイントがあるのかを予め把握して分析し、それが起こらないようにするためにはどのような手法を取れば良いのかを検討、決定して実行し、記録に残すことで、問題の発生をコントロールできるはずという考え方です。何も特別な手法でも何でもなく、この程度であれば小学生でも分かるようなごく当たり前のことではないかと拍子抜けするかもしれませんが、事実全くそのとおりです。