温度管理は、物流において製品や備品・機器の鮮度および状態を維持する上で必須です。食品の輸送や保存はもちろんのこと、機械の維持管理や薬品の状態維持などあらゆる分野で必要となる管理技術です。現代において製品に求められる品質は上昇し続けているため、物流において適切な温度の管理は必要不可欠であってより高度な技術も要求されつつあります。なお主に5つの温帯で区切られており常温と中温、冷蔵およびチルド・冷凍といった区分が主体です。

管理が必要ではない物資に関しては常温ですが、15~18度で管理しなければならない野菜やパンなどは中温に該当します。10度以下で管理する必要がある牛乳・豆腐などは冷蔵で、肉や魚に求められる0~5度の帯域となればチルドです。そして冷凍食品やアイスなどは、冷凍に区分されます。この5つの中で、最も繊細な温度管理が求められるのはチルドと中温です。

外気にさらす行為はもちろんのこと、少しでも定められた温度から外れてしまうとすぐに劣化するため注意が必要だからです。食品以外に繊細な温度管理が必要なものとしては、精密機器や医薬品が挙げられます。いずれも温度変化で劣化や故障をきたす可能性があるからで、スムーズな業務を行う上では欠かせません。温度変化を極力なくす対策として、搬入口とトラックの荷台を繋いで外気の侵入を防ぐドッグシェルターや、冷気を逃さない構造のエアカーテンなどが開発されています。

近年では商品の箱に取り付けたタグにより、温度・湿度や衝撃に関するデータをとって管理を行うテクノロジーも誕生しています。